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韓国メモリ株主導の世界的半導体売り、マイクロン決算を控えて
AI capex newsletter for the week of June 24, 2026. The correlated unwind the bears kept threatening finally hit (Kospi -10%, Korean memory -12%, US chips in sympathy), SK Hynix reportedly throttled HBM, and Micron's after-the-close print is the single number that resolves the tape.
The AI Capex Tracker
2026年6月24日の週:韓国メモリ株主導の世界的半導体売り、マイクロン決算を控えて
発行日:2026年6月24日(水)
要点
- 弱気派がずっと警告してきた「相関的な巻き戻し」がついに現実になった。 Kospi(韓国総合株価指数)は一晩で約10%下落し、3か月ぶりの大幅安となった。SKハイニックスとサムスンはともに約12%下落し、米国の半導体株もこれに連動して急落した。これは、SKハイニックスがサムスンを抜いて韓国時価総額首位(2000年以来同社が保持してきた座)に立った翌日、かつ韓国の信用取引残高が過去最高の38.5兆ウォン(約250億ドル)に達した中での出来事だった。(Squawk on the Street, 6月23日; Saxo Market Call, 6月23日)
- マイクロンは今夜、引け後に決算を発表する。これが相場を決定づける唯一の数字だ。 過去12か月で約1,000%上昇し、売上高は3.5〜4倍、利益は10倍以上に伸びた同社の株価は、200日移動平均線を約161%上回る水準にある。たとえ決算内容がきれいなビートであっても、ガイダンス次第では売られる可能性がある。(Saxo Market Call, 6月23日; The Compound and Friends, 6月23日)
- 供給サイド初のひび割れ:SKハイニックスがHBM生産を絞り、DRAMへ軸足を移しているとの報道。 これは需要頭打ち説を裏付ける「生産者側の行動」が確認された初めての事例だ。ただしフェイバーが指摘する通り、ハイパースケーラーで実際に設備投資を削減した企業はまだない。(Squawk on the Street, 6月23日)
今回の新展開
昨日、AI関連株全体はダニー・モーゼスが先週警告した通りの動きになった。銘柄が軒並み一斉に売られたのだ。明確なきっかけはなく、マイクロン決算を控えたイベントリスクと、一夜にして反転したセンチメントがすべてだった。
1. 世界的な売りが到来し、その震源地は韓国メモリ株だった。 Squawk on the Street, 6月23日:フェイバー、アイゼン、キンタニージャ(CNBCデスク)。Kospiは-10%、SKハイニックスとサムスンは約-12%。信用取引残高が過去最高水準に達しており、相場が転換すると強制的な処分売りを誘発する。アイゼンによれば、今回何が違うかというと、「フリーキャッシュフロー、あるいはその欠如」への監視の目が強まっていること、トークン価格上昇へのCTOレベルの反発、そして「より安価な中国製モデル」の存在だという。フェイバーの立場は一貫している。ハイパースケーラーで設備投資を削減した企業を「一社もまだ見ていない」とし、オラクルの決算発表も、昨年支出した「550億ドルを大きく上回る」予算を賄うために人員を削減するという話にとどまっている。
「私たちはこれまで何年もそうしてきたように、これから先も、投じた資本すべてに見合うリターンが本当に得られるのかを問い続けることになるだろう」(デビッド・フェイバー)
2. マイクロンは今夜の二択の分岐点であり、強気・弱気どちらの材料も揃っている。 Saxo Market Call, 6月23日:ジョン・J・ハーディ(Saxoストラテジスト)。マイクロンは前年比で売上高3.5〜4倍、利益10倍以上という数字を叩き出し、約1,000%の株価上昇を牽引してきた。今夜の決算についての彼の見立ては、「マイクロンが何を発表しようと、たとえ市場予想を上回る結果だったとしても、ガイダンス次第で状況が悪化する可能性はほぼ間違いなくある」というものだ。The Compound and Friends, 6月23日はこの「空白地帯」をこう表現する。同社株は200日線を約161%上回っており、マイクロンは「一直線に30%下落」しても健全な上昇トレンドの範囲内に収まりうる。実際、3月以降にまさにその通りの動き(約460ドル→約310ドル)をした後、再び急騰した。見るべきはヘッドラインではなくガイダンスだ。
3. SKハイニックスによるHBM抑制は、生産者側で初めて確認された「消化」のシグナルだ。 Squawk on the Street, 6月23日。ある現地報道によれば、SKハイニックスは「HBM(高帯域幅メモリ)の生産ペースを調整し…代わりにDRAMへの取り組みを強化している」とされ、収益性への配慮あるいは需要頭打ちのサインと解釈されている。この情報自体はまだ薄弱(単一ソースであり、デスクも過度な読み込みには注意を促している)だが、弱気シナリオにおいて初めて供給者が実際の行動を取った事例である点が重要だ。ストラテジストの発言だけではない。
4. 減価償却をめぐる爆弾に具体的な数字とベンダー金融の図式が示された。 FinPod「The Finance of the AI Buildout」, 6月23日は、バリー/チャノスの空売りシナリオをまとめたファイナンス解説番組であり、事業者による新規開示ではない。GPUの実質的な経済寿命は約2〜3年とされるが、実際の減価償却は5〜6年で計上されており、バリーの試算によれば、これにより2026〜2028年の業界利益が約1,760億ドル過大計上されている。裏付けとなる動きとして、アマゾンは一部サーバーの耐用年数を6年から5年に短縮した(2025年の営業利益への影響は7億ドル)一方、メタは逆に見積もりを延長した。同じハードウェアでありながら正反対の判断だ。そして「スターゲート網」(NVIDIAがOpenAIに最大1,000億ドルを投じ、次いでOpenAIがオラクルと約3,000億ドルの契約を結び、そのオラクルがNVIDIAのチップを購入する構図)は「ベンダー金融」であり、「実際のエンドユーザー導入水準を覆い隠している」と指摘される。
5. バージニア州のエネルギー責任者、需要予測を「幻想」と断言。 Energy Capital Podcast, 6月24日:ジョシュア・ローズ(バージニア州最高エネルギー責任者、政策当局者/内部関係者)。ドミニオン・エナジー一社だけで、システムピーク24GWに対して新規大口需要70GWを見込んでいるが、独立系市場監視機関はこの数字を「幻想」と評し、ローズも「概ね同意」している。その仕組みは「幽霊需要」だ。開発業者が同一プロジェクトを複数の管轄区域に重複申請し、電力会社は名寄せ確認なしにPJM(米国東部の広域送電機関)へ未検証の予測を提出している。ERCOT(テキサス州の電力網)も同様の問題を抱えており、システム規模約85.5GWに対して約445GWもの申請が積み上がっている。実際に建設可能な数字は、見出しの数字のごく一部にすぎない。
論争のポイント
強気派の主張:根本的な問題は何も起きていない。これは単なるポジション調整の巻き戻しだ。 ハイパースケーラーで設備投資を削減した企業はない。オラクルはむしろ支出を昨年の550億ドルから増額しており、削減しているのは予算を賄うための人員のみだ。需要は依然として「確定済み」である。今回の売りは機械的なもので、韓国の過去最高水準の信用取引残高が今年最も混雑したトレードの強制解消を招いたことに加え、マイクロン決算を前にしたリスク回避が重なった結果だ。(Squawk on the Street, 6月23日)
弱気派の主張:サイクル終盤の相関的な調整に、新たに3つのひび割れが加わった。 マグニフィセント・セブン全体でフリーキャッシュフローが圧迫され、各社は自社株買いから株式・債券発行へとシフトしつつあり、「希薄化は過去最高水準」に達している。アルファベット、アマゾン、マイクロソフト、メタはいずれも「明確に下降トレンド」にある(The Paul Barron Crypto Show, 6月23日)。ジョージ・ノーブルはこの設備投資ブームを「史上最大の誤投資であり、ドットコムバブルすら子供だましに見える」と評し、DeepSeekは「必要な機能の90%を…90%安く」実現していると指摘する(Soar Financially, 6月23日)。グランサムはこれを鉄道業の歴史パターンになぞらえ、マグニフィセント・セブンと約15社の挑戦者たちが「死に物狂いの消耗戦」を繰り広げ、その結果「大した利益は出ず、株価は叩き潰される」という展開になると見る(MoneyWeek Talks, 6月24日)。ここにバリーの1,760億ドルの減価償却過大計上とスターゲート・ループの問題が加わる(FinPod, 6月23日)。
注視すべき売りシグナル: マイクロンが今夜、予想を「達成するだけ」に終わった場合。SKハイニックスのHBM抑制が第二のソースで裏付けられた場合。7月決算で「需要に合わせた」調整や2年単位の設備投資削減が語られた場合。追加の株式・債券発行(アマゾンは債券市場で「次に動く」候補と指摘されている)。プライベートクレジット市場のストレス(アポロは、解約請求が約17%に達した後、リテール向けクレジットファンドで償還を制限したばかりだ)。
注目銘柄
NVDA。 強気材料: ハイパースケーラーで発注を削減した企業はない。スーパーマイクロは、Vera Rubinラックシステム(最大1GW、トークン処理効率は従来比約10倍)を材料に約16%急伸し、先行するRubin需要の証左となった(Saxo Market Call, 6月23日)。弱気材料: 相関的な急落に巻き込まれており、SKハイニックスのHBM抑制やDeepSeekなど廉価モデルの脅威が高価格帯GPU需要を直撃する構図に加え、「NVIDIAが1,000億ドルをOpenAIに→OpenAIがオラクルへ→オラクルがNVIDIAのチップを購入」というベンダー金融ループも重石になっている(FinPod, 6月23日)。次の注目点: Rubinの量産開始、Q2決算。
AVGO。 相場では動きが少なく、今サイクルでは新たな事業者コメントもない。前号の見解は維持:6月の弱含みは2027年ガイダンスの「引き上げ失敗」であり、削減ではない。次の注目点: カスタムシリコンの決算、2027年ガイダンス引き上げの有無。
AMD。 相場では動きが少なく、MI450X/Heliosに関する新情報もなし。次の注目点: AMD Advancing AI Day、2026年7月。
MSFT。 強気材料: 電力面で依然として最も積極的なビルダーであり続けている(先週発表した20年・2.67GWのシェブロンとのガス契約)。弱気材料: 需要規律について最も明確なシグナルを発している企業であり、自社プラットフォームで超低価格の中国製モデルDeepSeekへのアクセスを検討中と報じられているほか、自社の廉価版AIモデル群も発表済みだ(Squawk on the Street, 6月23日)。次の注目点: 7月決算でのFY26 Q4設備投資に関するコメント。
GOOGL。 強気材料: 支出方針に変化なし。オフグリッドのガス発電キャンパスの申請も継続中。弱気材料: マグニフィセント・セブンの中で最も相場が弱く、複数日にわたる下落、ノーベル賞受賞級のAI研究者の離脱、Anthropic/OpenAIに遅れを取るGeminiの開発ペース、そして850億ドル規模の株式・転換社債による重石。チャートは「ベアフラッグ」を形成している(The Paul Barron Crypto Show, 6月23日; Squawk on the Street, 6月23日)。次の注目点: 7月の設備投資ガイダンス。
AMZN。 強気材料: 設備投資の削減なし。オフグリッドのガス発電建設も継続。弱気材料: 200日移動平均線ちょうどの水準に位置し、債券市場で「次に動く」候補と指摘されている(Saxo Market Call, 6月23日; Squawk on the Street, 6月23日)。次の注目点: 7月決算。
META。 強気材料: 依然として建設を継続中(Hyperion/ガス発電フリート)。弱気材料: Blue Owlとのストラクチャーでは、メタは自社の約300億ドル規模の旗艦データセンターにおける持分をわずか約20%しか保有せず、コストと債務の80%をオフバランス化している。これはリスク移転であり、需要が持続する限りにおいてのみ機能する仕組みだ(FinPod, 6月23日)。次の注目点: 7月決算。
波及効果
- メモリ/HBM(マイクロン、今夜発表)、相場で最も材料性の高い決算。 見るべきはヘッドラインではなく、粗利ガイダンスだ。200日線を約161%上回る水準にあり、「30%下落しても」上昇トレンドを維持しうる銘柄であり、その裏には二重・三重発注のリスクと、SKハイニックスによる供給抑制の可能性が潜んでいる。Market Mondaysの整理によれば、SKハイニックスは2026年分がすでに完売しており、マイクロンの今四半期EPSは前年の約1.47ドルに対して約21ドル、ガイダンスは30〜40ドルへと切り上がりつつある(Market Mondays, 6月23日; The Compound and Friends, 6月23日)。相関的な巻き戻しはまずサムスンとSKハイニックスを直撃する。
- 電力/熱管理(VRT、ETN、GEV)、注目すべきは「申請中のMW」ではなく「建設可能なMW」だ。 幽霊需要の発覚が新たな論点だ。ドミニオンの70GW対24GWピークは「幻想」であり、ERCOTでは約445GWの申請が約85.5GWのシステムに積み上がっており、PJMは「余剰管理」から「逼迫管理」へと公然と姿勢を転換しつつある。4〜7年に及ぶ系統連系待ちの長さは依然としてハイパースケーラーをメーター背後の自家発電ガスへと押しやっているが、見出しの需要と契約済みで検証された需要とのギャップは拡大しつつあり、これこそがタービンOEM各社のエクスポージャーを測る際に見るべき数字だ。(Energy Capital Podcast, 6月24日)
- 金融の配管部分、株式市場より先に見るべき指標。 アポロは解約請求が約17%に達した後、リテール向けプライベートクレジットファンドで償還を制限した。CoreWeaveの負債残高は約216億ドルに達し、ネオクラウド業界全体ではGPU担保付き融資が200億ドル超に上る。バリーの主張通りGPUの実質寿命が2〜3年であれば、この担保価値は「蒸発」しかねない。ストレスはまずここに現れる。(Squawk on the Street, 6月23日; FinPod, 6月23日)
- 光学/ネットワーキング: 今サイクルは相場での動きが少なく、先週のArista/Amphenol関連の材料以外に新規銘柄はなし。
前号からの変化
前号(6月23日、「マイクロソフトがDeepSeekに接近。マイクロン決算が水曜日の相場を左右する」)は状況設定を伝える号だった。DeepSeekを需要面のひび割れとして、マイクロソフトはフル稼働で建設を続け、マイクロン決算が控えているという内容だ。それから24時間で、その状況設定は現実のイベントへと変わった。
- モーゼスが警告していた相関的な巻き戻しが、実際に起きた。 Kospiは-10%、韓国メモリ株は-12%、米国半導体株も連動して急落。「すべてが連動している」というリスクは、仮説から現実の相場へと転じた。
- DeepSeekをめぐる話が「検討中」から「提供へ」と進展した。 マイクロソフトは現在、自社プラットフォーム上でDeepSeekを提供する準備をしていると報じられ、さらに自社の廉価モデル群も発表しており、コモディティ化のシグナルが一段と鮮明になった。
- 初めての供給者側の行動: SKハイニックスがHBM生産を抑えてDRAMへシフトしていると報じられ、需要頭打ち説にようやく生産者側の裏付けが加わった(ただし依然として単一ソース)。
- 減価償却をめぐる議論が数値化された。 バリーによる2026〜28年の約1,760億ドルの利益過大計上の試算と、スターゲートのベンダー金融ループが、先週までの漠然とした「フリーキャッシュフローの幻影」という表現に取って代わった。
- マイクロン決算が「明日」から「今夜」へと迫った。 この二択の分岐点は、本日の取引終了後に決着する。
ERCOT/SB6の7月15日ゲーティング期限に関する更新情報はないが、幽霊需要の発覚により、この期限を前にしたあらゆる見出しのGW数字は再検証を迫られている。